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11月に入って、急に季節が進んだ感じで、朝・夕が肌寒くなってきました。気温の変化が大きい季節です。体調の管理に注意して、冬に備えましょう。 |
今季どうする? “抗インフルエンザ薬”
当クリニックでは、インフルエンザに対して、症状が軽症の小児であれば、タミフルやリレンザに代表される抗インフルエンザ薬はできるだけ使用しない方針で、診療を行ってきました。
理由は、インフルエンザで最も恐い合併症である“インフルエンザ脳症”は、残念ながら、これらのお薬では予防できていないことと薬を乱用するとこれらの薬が効かないインフルエンザウイルスが増加し、来るべき新型インフルエンザ出現の際に、これらの薬が効かなくなってしまう可能性があるとの理由からです。
この考え方を反映して、当クリニックで診断したインフルエンザ症例の抗インフルエンザ薬処方率は、
2005年度77%、06年60%、07年41%、08年29%と減少してきました。
しかし、昨年の10年度は、新型インフルエンザということで処方率は79%に上昇しました。
昨年、世界中で新型インフルエンザが流行し、幸運にも、重症度から考えると通常の季節型インフルエンザとほぼ同等で、症状の重症度によるパニック(それ以外のパニック?はありましたが)は起こりませんでした。しかし、インフルエンザは、やはり“恐い”ウイルス性疾患で、世界中で、死亡例が報告されています。
昨年のインフルエンザ症例を日本と世界で比べた場合、死亡率は日本が有意に低かったという結果が出ています。この理由はたくさんあると思います。例えば、日本の医療機関への受診のしやすさ、迅速診断検査キッドの普及も理由の一つ一つですが、抗インフルエンザ薬もその一因であるかもしれないと世界で考えられるようになってきています。もちろん、日本ほど、この高い薬をこれだけ消費している国は世界中でどこにもありませんが・・・
さて、この状況で、今季のインフルエンザに対して、抗インフルエンザ薬の使用をどうするか? 新たに考える必要があると思います。しかも、新しい抗インフルエンザ薬もできたので、それも踏まえて考える必要があります。新しい抗インフルエンザ薬については来月にお話しします。
- インフルエンザ脳症など症状が重篤になるのは、通常発症1〜3日であり、この間、大きなお子さんでもお子さんの状態をしっかり観察する。抗インフルエンザ薬の使用の有無にかかわらずしっかり観察する。
- “しんどそうであれば”抗インフルエンザ薬を使用する。(希望があれば内服・吸入処方)
- 抗インフルエンザ薬を使用する場合、内服であっても吸入であっても、指定された日数を確実に使用する。
- 人に感染させたいために、発症約7日間、または、解熱後約3日間(抗インフルエンザ薬は使用終了している)は、人に2m以内に接触しない。
大阪府下感染情報(11/1-11/7)
感染症の報告は前の週に比べて、4.2%増加しています。多い順から、感染性胃腸炎・溶連菌・おたふく・RS・水痘の順です。溶連菌・おたふく・RSが減少、水痘増加。麻疹は1例報告あり。
当クリニックの感染情報(11月11日現在)
いろんな感染症が流行しています。しかし、特にこれが多いというものはありません。
インフルエンザ症例も診断例はありません。最近少なかった水痘症例が、週1から2名程度見受けられます。
来年小学1年生になる年長児および、
現在、中学1年生・高校3年生のお子さんへ、
毎年繰り返しますが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種となりました。
来年3月末までに、必ず接種をしてください。
6歳以上のお子さん、11歳以上のお子さんは、
日本脳炎T期やU期が接種完了しているか、母子手帳で確認してください。 |
なかじまクリニック 小児科・循環器科 院長 談 |
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