2010年 10月号
  ようやく、残暑から開放され、朝・夕が肌寒くなってきました。今年は、秋はみじかいとのことです。短い秋を楽しむとともに、気温の変化が大きい季節です。体調の管理に注意して、冬に備えましょう。

 日本脳炎接種再開(積極的接種差し控え解除 
先月もお伝えしましたが、日本脳炎の接種が、T期(主な接種対象者3歳から7歳半)、U期(接種対象者9歳から12歳)とも新ワクチンで再開(積極的接種差し控えの解除)されています。
日本脳炎は、“カ”を媒体とするため、夏から秋へ移行する時期に発生します。このため、今年の日本脳炎が発症する時期は過ぎつつあります。2005年5月からの積極的接種差し控えによって、T期・U期が完了できていない接種対象者で、来年の春・夏には、接種対象者からはずれるお子さんは、この秋・冬でも結構ですので、日本脳炎の予防接種を接種するようにしてください。接種対象者で、来年春や夏で十分間に合うお子さんは、来年春に接種しましょう。

 現時点で、以下の年齢のお子さんです。
 日本脳炎T期およびT期追加まで完了していない
  5歳半から7歳半まで のお子さん

 日本脳炎T期およびT期追加まで完了していない
  9歳から12歳のお子さん

 日本脳炎T期追加まで完了しているが、U期を完了していない
 12歳のお子さん


接種スケジュールは、お子さんごとに異なりますので、クリニックで御相談ください。


 今季のインフルエンザの現時点の動向
 記憶に新しいところですが、昨年は、例年に比べて早くから、10月末から、豚(新型)インフルエンザが流行期に入りました。今季は、例年と同様、現時点でボツボツとインフルエンザが全国各地から報告される程度です。この様子から、恐らく、流行のピークは例年通り、1月以降と思われます(あくまで予想ですが)。インフルエンザのタイプですが、まだ、報告数が少ないので、正確なことはいえませんが、A型・B型ともに報告があり、現時点ではA型が多く、A型の中でも、香港型が豚(新型)より多い様です。昨年のインフルエンザのほとんどが、豚(新型)であったことから、今年は、3種類とも並行して流行する可能性が高いのかもしれません。インフルエンザの予防接種は、発症を予防できませんが、症状を軽くする効果はあると言われています。年内にはインフルエンザの予防接種を完了しておきましょう。

 大阪府下感染情報(9/27-10/3
 
感染症の報告は前の週に比べて、13%増加しています。多い順から、感染性胃腸炎・おたふく・溶連菌・RS・突発性発疹の順です。麻疹の報告なし。溶連菌とRSが若干増加傾向にある。

  当クリニックの感染情報(1012日現在
 いろんな感染症が流行しています。しかし、特にこれが多いというものはありません。 発熱は、ほとんどがウイルス性です。ウイルスに抗生剤は効きません。しかし、幼稚園児・保育園児に、少し溶連菌感染がみうけられ、これは抗生剤が有効ですが、溶連菌感染では咽頭から溶連菌を除菌する目的で約7から10日間の抗生剤内服が必要です。中途半端な内服が最もいけないことです。園児は十分注意してください。

 来年小学1年生になる年長児および、
 現在、中学1年生・高校3年生のお子さんへ

 毎年繰り返しますが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種がとなりました。来年3月末までに、必ず接種をしてください。        

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談