2010年 9月号
 厳しい残暑が続いています。夏休みも終わり、園・学校が始まり、運動会の練習も始まっています。この暑さで、戸外の運動は“熱中症”に注意が必要です。こまめに水分補給をしてください、1回にたくさん飲むより、回数で十分な水分を補うことが重要です。授業中でも、途中で休憩して、水分補給もよいかもしれません。
8月号は休刊しました。申し訳ありませんでした。

日本脳炎U期(9歳から12歳)、新ワクチンで再開 
 8月末から、新しい日本脳炎のワクチン(旧ワクチンはすでに期限有効なワクチンは存在しません)で、U期対象者である9歳から12歳のお子さんの接種が可能となりました。日本脳炎は夏に流行し10月ごろまでには終息する疾患です。このため、1年中予防接種は可能ですが、9月になった現時点では、来年の夏に備えての接種となると、来年春の予防接種で間に合うことになります。ところが、2005年の5月末に、日本脳炎予防接種が積極的接種差し控えされたために、それ以後、日本脳炎T期対象者(〜7歳半まで)とU期対象者の接種が十分行えなくなっていました。T期対象者は、今年3月から接種可能となり、今回U期対象者が接種可能となりました。

 日本脳炎は、人から人へは感染しません。日本では豚の体内でウイルスが増加し、“蚊”が媒体となり、感染します。ウイルスが侵入しても、発症は100人〜1000人に一人ですが、発症すると死亡率は20〜40%です。神経的後遺症を加えるとそれ以上となります。発症すれば、有効な治療法はありません。

 この接触的接種差し控えの5年間、接種が十分できなかったこどもたちに、公費で接種を臨時で行うことについては、国からの具体的指示はなかったようです。これを公費で行うかどうかの最終決定権は、自治体である市町村にありますが、今のところ、そのようなことは考えられていないようです。しかし、臨時処置として、U期対象者であれば、T期の接種できなかった分の接種を公費負担で接種可能となっています。
わかりにくくて申し訳ないですが、以下の年齢対象のお子さん、

 日本脳炎T期追加まで終了していない5歳半から7歳半までのお子さん
 日本脳炎をT期追加まで終了していない9歳から12歳のお子さん
 日本脳炎U期を終わっていない12歳のお子さん

 
年齢制限がありますので、早急に日本脳炎接種をお勧めします。
接種スケジュールは、お子さんごとに異なりますので、 クリニックで御相談ください。
大阪府下感染情報(8/30〜9/5)
 感染症の報告は前の週に比べて、9.6%減少しています。
多い順から、感染性胃腸炎・ヘルパンギーナ・水痘・おたふく・溶連菌・突発性発疹・咽頭結膜炎の順です。麻疹の報告なし。

当クリニックの感染情報(9月9日現在)
 いろんな感染症が流行しています。しかし、特にこれというものはありません。ただ、気温が高いためか、昼に体温が40度をこえるお子さんもおられます。
いつものことですが、水分補給が重要です。少しずつでもかまいませんので、こまめに、頻回に、水分補給を心がけましょう。


新年長児・新中学年生・新高校年生のお子さんへ
 毎年繰り返しますが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種がとなりました。来年春までに、必ず接種をしてください。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談