2010年 5月号
  天気の良いゴールデンウィークも終わりました。新年度の緊張やゴールデンウィークの遊びすぎで疲れがでる頃です。夏休みまで、体調を整えて、頑張ってこの時期を乗り切りましょう。

 NCNニュースについて
 2004年11月から今月号まで、数ヶ月の休刊はありましたが、毎月1回(2006年のインフルエンザ流行時は週1回で流行状況発行したこともある)発行してきました。
  この間の主な内容は、感染症の流行情報の提供とともに、麻疹や風疹の単独接種がMRワクチンへの変更、日本脳炎ワクチンのV期中止やT期やU期の積極的推奨の中止、MRU期・V期・W期導入、ヒブワクチン・新日本脳炎ワクチン・肺炎菌ワクチン・頸部がんワクチンの導入など、予防接種について、さらに主な感染症の説明として、インフルエンザについてはもちろんのこと、麻疹・溶連菌感染・RSウイルス・アデノウイルス感染・手足口病・百日咳・マイコプラズマ感染・とびひなどについて、さらに、お子さんの症状への対処の方法として、うがいや手洗いの重要性、発熱時や下痢の時の水分補給についてなど、掲載してきました。重なる内容もありましたが、できるだけ重ならないように説明してきました。

  今後も、新しいトピックスがあれば掲載しますが、何か、小児科全般について知りたいことがあれば、遠慮なく、スタッフへお申し付けください。

 3ヶ月をすぎたら、すぐに三種混合と髄膜炎セットワクチン接種を(4月号再掲載)
 乳児期に接種しなければない予防接種がたくさんあります。
 
 三種混合・BCG・ポリオ・・・ 三種混合の主な目的は、乳児期の百日咳を予防して、 百日咳脳炎や脳症を予防することです。

 BCG接種の主な目的は、乳幼児期の重症結核(結核性髄膜炎など)を予防することです。  
  ポリオは、日本では生ワクチン(外国は不活化ワクチン)です。
 ワクチン内服後約2週間から1ヶ月にわたって、便の中にワクチン株のポリオが排泄されるの で、ワクチン未接種の乳児がワクチン株でポリオを発症する可能性が日本では存在します。(早期の保育園入園には注意が必要)

 さらに、髄膜炎セットワクチンと、乳児期早期に接種しなければならない予防接種がたくさんあります。
効率的に早期に予防接種を終了するには、3ヶ月をすぎたら、すぐに三種混合(同時に髄膜炎ワクチンセット)1回目、2回目。2回目終了後1週間以上あけて、BCG接種。
その後、4週間あけて、三種混合3回目。その後1週間あけて、ポリオ内服。
うまくいけば、約10〜11週間で、すべてのワクチンが終了します。

 大阪府下感染情報(4/26〜5/9)
 
多い順から、感染性胃腸炎・水痘・溶連菌・おたふく・手足口病の順です。
  麻疹の報告が3例ありました。今年に入って、月1例のペースでしたが、4月に入って週1例のペースです。流行では全くありませんが、春ごろに流行するのが麻疹です。1歳過ぎれば早急にMR接種してください。
 
  新年長児・新中学1年生・新高校3年生のお子さんへ、

 毎年繰り返しますが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種がとなりました。可能な限り夏休みまでに接種しましょう。

  当クリニックの感染情報(5月12日現在)
 水痘・溶連菌・おたふくが散見される程度です。溶連菌は一時減少しましたが、一部の幼稚園で流行を認め、少し増加しています。
  その他、ぼちぼち、夏かぜ様の発熱のお子さんが散見されるようになりました。夏かぜは、ヘルパンギーナに代表されるように、急な高熱で発症し、高熱は2、3日で解熱しますが、咽頭や口腔内に"口内炎"ができて咽頭痛がしばらく続きます。いつものことですが、水分補給をしっかりするように心がけてください。

日本脳炎予防接種
 新しいワクチンが開発され、現在接種可能です。7歳半までが公費負担です。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談