2010年 4月号
  新年度が始まり、桜も平地ではピークをすぎようとしていますが、天気の良い日はここちよい日差しです。保育園、幼稚園や小学校など初めて通園、通学するこどもたちが多い時期です。慣れるまで、事故に気をつけてください。 ところで、クリニックの前の道路の道路舗装工事も終了したようです。ご迷惑をおかけしました。

 こども手当をワクチン代に
 先月号でご紹介したように、日本で、肺炎球菌のワクチン(プレベナー)も発売され、これで、欧米や韓国など多くの国々で接種されている予防接種の種類がほぼすべて認可されたことになります。
  残念ながら、公費接種でなく任意接種ですので費用もかかりますが、プレベナーもヒブワクチン(髄膜炎セットワクチン)も、お子さんを守るワクチンです。しかも、米国のデータでは、プレベナー導入で、同居されている60歳以上の祖父母の方の肺炎球菌感染も低下したとのデータもあります。乳児に接種したとして、4回分の両ワクチンの接種費用は約6万円です。
 
  今年度からこども手当が支給されます。今年度分では約5カ月分、来年からは約3カ月分です? 三種混合と同時接種可能です。3カ月になったら、すぐに三種混合と同時に接種しましょう。2回目接種が済んだら、その後は、熱が出ても、すぐに救急へ行く必要はありません。
もちろん、"熱以外に意識がおかしい、全く元気がない、飲まない、呼吸がおかしいなどの症状があれば別ですが、発熱してもあわてる必要はありません。 すぐに抗生剤を飲む必要も全くありません。"
受診した医療機関で、"この子は髄膜炎セットワクチン終了しています"と受診した医師に告げましょう。無駄な薬をもらわなければ、きっと医療費も減少し、国の借金も減ることになるでしょう。

 3か月をすぎたら、すぐに三種混合と髄膜炎セットワクチン接種を
 乳児期に接種しなければない予防接種がたくさんあります。
 
 三種混合・BCG・ポリオ・・・ 三種混合の主な目的は、乳児期の百日咳を予防して、 百日咳脳炎や脳症を予防することです。

 BCG接種の主な目的は、乳幼児期の重症結核(結核性髄膜炎など)を予防することです。  
  ポリオは、日本では生ワクチン(外国は不活化ワクチン)です。
 ワクチン内服後約2週間から1カ月にわたって、便の中にワクチン株のポリオが排泄されるの で、ワクチン未接種の乳児がワクチン株でポリオを発症する可能性が日本では存在します。(早期の保育園入園には注意が必要)

 さらに、髄膜炎セットワクチンと、乳児期早期に接種しなければならない予防接種がたくさんあります。
効率的に早期に予防接種を終了するには、3カ月をすぎたら、すぐに三種混合(同時に髄膜炎ワクチンセット)1回目、2回目。2回目終了後1週間以上あけて、BCG接種。
その後、4週間あけて、三種混合3回目。その後1週間あけて、ポリオ内服。
うまくいけば、約10〜11週間で、すべてのワクチンが終了します。

  サーバリックス(子宮頸がん予防ワクチン、対象は中学生女子)
 20歳から40歳の年齢で発症する子宮頸がんの70〜80%を予防する予防接種です。3回接種、筋肉内注射です。約20年間は有効と考えられています。費用は3回接種で約45000円の費用がかかります。希望があれば、受付で相談してください。

 大阪府下感染情報(3/29-4/4)
 
多い順から、感染性胃腸炎・水痘・おたふく・溶連菌・突発診の順です。麻疹の報告なし。

  当クリニックの感染情報(4月9日現在)
  インフルエンザは認めません。水痘・溶連菌が散見される程度です。溶連菌は減少傾向です。

 MR予防接種(新年長児・新中学1年生・新高校3年生のお子さんへ)
  毎年繰り返しますが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種がとなりました。可能な限り夏休みまでに接種しましょう。麻疹の流行は初夏から始まります。

日本脳炎予防接種
 新しいワクチンが開発され、現在接種可能です。7歳半までが公費負担です。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談