2010年 3月号
  晴れと雨の日が、交互に繰り返しながら、徐々に春らしくなっていく季節となりました。 ところで、3月末まで、クリニックの前の岸和田方面へ向かう道路で、道路舗装工事が行われます。昼は、午前9時から午後5時までのようです。お車などでのご来院に際しては、混雑も予想されますので、ご注意ください。

 豚(新型)インフルエンザA型について(3月11日現在)
 インフルエンザは、ほぼ終息しました。3月に入って、当クリニックで、インフルエンザと診断した患者さんはおられません。この秋冬は、ほとんど豚インフルエンザの流行のみで、ごく一部にB型インフルエンザの報告はありましたが、これを含めても季節型のインフルエンザの流行はほとんど認められませんでした。しかしながら、私が校医をする小学校では、約40%以上のお子さんが、インフルエンザ様症状を呈したとのことでした。これは例年にない罹患率です。今回のインフルエンザは今までの季節型のインフルエンザと比較して"毒性"があまり変わらなかったので、もちろん亡くなられた方や脳症になられた方などもおられますが、当初の報道ほどパニックにならなかったことは幸いでした。しかし、新しいタイプのインフルエンザウイルスが流行すると半数近くの方が罹患してしまうのだとあらためて驚くしだいです。今回のインフルエンザの一連の騒動は、今後検討する課題も多いと思いますが、これを教訓にしていきたいと考えます。
 肺炎球菌ワクチン(プレベナー)について
  2月末にいよいよ発売されました。これで、欧米や韓国など多くの国々で接種されている予防接種の種類がほぼすべて認可されたことになります。残念ながら、任意接種で、しかも日本向けに作っているので、ワクチンの代金は高価になっています。通常は、2か月から〜2歳までに接種、しかも、ヒブワクチンと一緒に接種することがベストですが、残念ながら、ヒブワクチンは現在も予約によるワクチン配布性で、希望すればすぐにワクチンが手に入る状態にはありません。プレベナーについては、ヒブワクチンと違い、予約配布制でなく、希望があればワクチンが手に入ることになっていますが、希望者が予想を上回るようであれば、ワクチン不足も予想されます。さらに、接種間隔も、ヒブワクチンは三種混合ワクチンと同様に3週間間隔でも接種可能でしたが、プレベナーは4週間隔になったので、同時接種の計画を立てるとややこしい状況になっています。先の話ですが、来年にはヒブワクチンの予約配布性が解消されるとのことで、それに向かって、当クリニックの予防接種の説明や予約間隔などの変更を考えています。この1年は、いろいろ混乱を招く可能性がありますが、プレベナーも特に5歳以下のお子さんでは接種をお勧めします。予約を受け付けていますので、希望があれば、予約してください。

  生後2カ月から6カ月  
  4週間隔で3回接種、2か月以上あけて1歳3か月までに1回接種。
  合計4回接種。

  生後7カ月から1歳  
  4週間隔で2回接種、2か月以上あけて1歳3か月までに1回接種。
  合計3回接種。

  1歳から2歳  
  2か月以上の間隔をあけて、2回接種。
               
  2歳から9歳まで  
  1回接種。
  ただし、5歳以上のお子さんは基礎疾患がなければ不要と考えます。


 大阪府下感染情報(3/1-3/7)
 
多い順から、感染性胃腸炎・水痘・溶連菌・RS・おたふくの順です。 麻疹の報告なし。

  MR予防接種(年長児・中学1年生・高校3年生のお子さんへ)
  毎年繰り返しますが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種がとなりました。今月末までにMRを忘れずに接種しましょう。特に現在中1や高3のお子さん、接種率が非常に低いようです。このままでは、本当に、接種証明書を持っていかないと海外旅行がいけなくなるかもしれません。必ず、接種しましょう。

 日本脳炎予防接種
  新しいワクチンが開発され、現在接種可能です。7歳半までが公費負担です。昨年8月に、成人例ですが1例大阪で久しぶりに日本脳炎発症と確認された患者さんの報告がありました。"蚊"の季節が来ないと日本脳炎には罹患しませんが、急な接種希望者の増加は、一時的なワクチン不足になる可能性があります。3歳から7歳半の方は、順次接種してください。        

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談