2010年 2月号
  暖かくなったり、寒くなったり、季節が進んだり、後戻りしたりする季節となっていますが、もう少しで、新しい春を迎えます。体調に気を使いながら元気で過ごしましょう。

 豚(新型)インフルエンザA型について(2月12日現在)
  冬休みが終わって学校や園が始まってから、1月末にかけて、一時的に少し増加しましたが、2月に入って、徐々に症例数は減少し、流行は終わりに近づいています。今季は、現時点でも日本全体で、季節型のA型の報告はほとんどなく、B型の報告も非常に少ないことから、今季のインフルエンザの流行はこのまま、終わりになると予想されます。昨年夏からはじまり、秋にピークを迎えた豚インフルエンザ騒動は、ひとまず、終焉を迎えることになります。

 今後どうなるのでしょうか?    残念ながら、誰にもわかりません。
 
  秋頃の頻回の報道では、今回の流行のより、次の流行がさらに重症化しやすい・・・といわれていたことはどうなったのでしょうか?
  今回のインフルエンザで、大阪府下でインフルエンザ罹患後死亡されたと報告されたのは15症例です。このうち15歳以下は2症例、60歳以上が5症例です。今年に入って、60歳以上のかたでなくなられる症例が3症例と目立ってきています。大阪府下でインフルエンザ脳症と報告されたのは26症例で、うち15歳以下は23症例で、やはり、脳症は小児に多いことがわかります。
  今後、もう少し詳細な分析結果がでると思いますが、当初、インフルエンザにかかった症例が、小児や若年者がほとんどであったことから考えると、今回の豚インフルエンザは、今までのインフルエンザと重症度は大きな違いはないように思います。むしろ、老年層の罹患率が低い印象です。老年層は、やはり、今回のインフルエンザに対して、なにがしかの免疫力を持っていたかもしれません。
 大阪府下感染情報(2/1-2/7)
  多い順から、感染性胃腸炎・RS・要連金・水痘・おたふくの順です。  麻疹の報告なし。

  MR予防接種(年長児・中学1年生・高校3年生のお子さんへ)
 
毎年のことですが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種がとなりました。今年3月末までにMRを忘れずに接種しましょう。

  日本脳炎予防接種
  新しいワクチンが開発され、現在接種可能です。7歳半までが公費負担です。接種が積極的に勧められずに接種を見合わせたお子さんへの接種の機会をどうするかに関して、おそらく、国や市町村はそのまま、放置することになるでしょう。すなわち、優遇措置はとらないことになる可能性が高いと思われます。7歳半以上で接種するなら、任意で接種することになります。任意だと費用がかかります。新しいワクチンが開発され、開発費がかかり、従来のワクチンより値段が高くなりました。それでも、接種して、予防することをお勧めします。3歳から7歳半の方は、順次接種してください。"蚊"の季節が来ないと日本脳炎には罹患しませんが、急な接種希望者の増加は、一時的なワクチン不足になる可能性があります。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談