2009年 12月号

  新型(豚)インフルエンザAについて(12月10日現在)
  豚インフルエンザは、やや減少したものの流行が続いています。流行のピークは、10月末でした。当初、小中学生が多かったのですが、最近は幼稚園・保育園児が目立っています。今後の動向ですが、冬休みに入るまで、発生数は徐々に減少するものの、断続的な流行は続くものと考えます。冬休み明けについての予想は難しいですが、豚インフルエンザの家族内成人(御両親や祖父母)への広がりが少ないように思います。言い換えると、ある程度年配の人は、当初予想されたように、"新型"とはいえ、ある程度の免疫力を持っている可能性があります。しかし、これはインフルエンザに罹患しにくいといえますが、軽く済んでしまう可能性があり、インフルエンザに罹患したとは考えず、家庭内へ持ち込み、保育園や幼稚園に行っていないお子さんにインフルエンザをうつしてしまう可能性を持っています。小学生や中学生で、今までの季節性インフルエンザと同様に、発熱1日で終わってしまう豚インフルエンザのお子さんも見受けられます。小さいお子さんをお持ちの御両親は、微熱であっても、体調が悪いと思われたなら、まず、小さいお子さんと接触するときは、"手洗い"を頻回に行い、"咳エチケット"を守って下さい。医療機関へ行っても、軽症の場合、2,3日がたたないと検査をしてもインフルエンザ陽性と判定できない場合があります。いづれにしても、今後季節性インフルエンザの流行も予想されますので、来年春までは注意が必要です。

  豚インフルエンザは、侮ってはいけない感染症で、流行すれば、ある一定の頻度で死亡例や重症例が出現します。しかし、症状的には、今までのインフルエンザとそう大きな違いはないと考えます。ただ、発病初期に脳炎・脳症は季節型と同じですが、急激に呼吸困難(肩やおなかを大きく動かして呼吸する)を伴うウイルス性肺炎?が出現する点が異なります。いずれにせよ、発症最初の3日間が、重要ですので、この間、お子さんの様子をしっかり観察してください。タミフルやリレンザを使用したからといって、このような重篤な合併症が予防できたという報告はありません。
 新型(豚)インフルエンザワクチンについて
  御迷惑をおかけして申し訳ありません。12月の当クリニックで接種の予約は終了しました。1月分の配分は1月初めにはわかるので、わかり次第1月にまた予約とりますので、それまでお待ちください。予約方法はクリニックで配布します。12月の予約方法と変更する可能性があります。

  大阪府下感染情報(11/3〜12/6)
 
多い順から、感染性胃腸炎・RS・水痘・溶連菌・おたふくの順です。  府下のインフルエンザ症例は、流行中ですが、減少傾向です。

  MR予防接種(年長児・中学1年生・高校3年生のお子さんへ)
 
毎年のことですが、MR(麻疹・風疹)ワクチンは2回接種がとなりました。来年3月末までにMRを忘れずに接種しましょう。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談