2009年 7月号
 
  ようやく、梅雨らしい天気が続くようになりましたが、この雨の週が通り過ぎれば、梅雨があけるものとおもわれます。

@ 大阪府下感染情報(6/29〜7/5
 多い順から、感染性胃腸炎・ヘルパンギーナ・溶連菌・水痘・おたふくの順です。  夏かぜの代表であるヘルパンギーナが急激に増加傾向にある。

A 当クリニック感染情報(7月9日現在)
 当クリニックのインフルエンザ症例は季節性・新型含めて5月以降ありません。
 6月下旬ごろから、"夏かぜ"が増加しています。夏かぜは、急な高熱と咽頭痛です。発熱期間は1〜3日間、平均2日で、そのあと咽頭痛が2日程度続く場合があります。熱が下がり、食事や水分が取れていれば、登園・登校はOKです。それ以外では、溶連菌や水痘がわずかに認められます。溶連菌は夏かぜと同じく咽頭痛をともないますが、体や関節に紅斑様の発疹が出現します。もし、体に発疹が出現すれば、念のため、クリニック受診してください。
B 日本脳炎ワクチン
 新しいワクチンが発売されましたので、接種予約開始しています。現在も、積極的な接種推奨中止(ややこしい表現ですが)の状態です。この理由は、ワクチンとして実績がない(新製品だから実績がないのはしかたがない)ことと公費負担で接種できるこども(T期であれば7歳半までのこどもたち)たちが、全員希望すれば、予防接種の本数が不足する。主に、この2つの理由です。さらに、U期(9歳から13歳対象)は、新しいワクチンを公費負担で接種できない状況です。理由は、旧ワクチンで免疫力をつけたこどもたちに新しいワクチンを接種して、免疫力を高めることができるかの証拠が現時点ではない(これも新製品で仕方がない、今年度中に効果を確認する予定)という理由です。旧ワクチンは来年3月まで使用できるものがあとわずかしか残っていません。来年4月以降、旧ワクチンはありません。
  以上の状況下で予約を開始しています。今のところ希望者に接種可能ですが、状況が変化する可能性があることをご理解お願いします。T期の公費の期限は7歳半までですので、6歳以上のお子さんは、早めに予約をお願いします。

C 新型インフルエンザ(以後は豚インフと省略)について
 大阪の豚インフの報告数は、6月に入ってやや下火となっていましたが、下旬ごろから、阪南市・泉南市を中心に増加傾向にあり、一部の幼稚園や小中学校・高校で、10日から12日ごろまで、学級・学年閉鎖や休校となっています。閉鎖や休校になる基準が、季節性のインフと異なり厳しいため、すぐに閉鎖される影響もあると思いますが、全国的にも閉鎖されている学校は増加傾向にあります。和泉市在住の人も3名診断されていますが、この3名はいずれも同じ高校の生徒と推測しています。
 豚インフは大多数の人に免疫力がないため、今後も散発的に発生し、限定的には一部の学校・学級の休校があると思います。しかし、乳幼児に感染が広がるほどの流行は、今年の秋・冬以降と考えます。このような情報は、使い方によっては"犯人探し"のような差別を生む可能性があり、公表が危ぶまれることもありますが、現在、大多数の発熱しているお子さんの原因は豚インフではありません。豚インフはすれ違っただけでは感染しません。このことから、発熱しているこどもたちから、豚インフを探すには、最新の情報が必要であるとの考えで、お知らせしています。今は、小学生・中学生・高校生・大学生と生活範囲の広い人ほど、自宅に持ち込む可能性があります。帰宅後はすぐに、しっかりした手洗い・口ゆすぎ・うがいをしましょう。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談