2009年 6月号
 
  新型インフルエンザ騒動から、もうすぐ1カ月になります。季節的に日本のインフルエンザ流行は終息に向かっており、おそらく新型インフルエンザも終息に向かうと考えます。
  "初めて何々県に新型インフルエンザ診断・・・"は、今後も報告され、限定的には一部の学校・学級の休校があると思います。しかし、乳幼児に感染が広がるほどの流行は、今年の秋・冬以降と考えます。乳幼児はすぐに高熱が出しますが、現時点ですぐにインフルエンザを心配する必要はないと考えます。もちろん、乳幼児の場合、インフルエンザ以外でも心配な発熱はありますので、重要なことは、熱よりほかの症状や本人の元気さです。今年の秋以降、新型インフルエンザに対してどう対処していったらよいかは、残念ながら、よい答えはありません。かといって、心配しすぎても仕方がありません。園や学校・会社など、集団生活をしている人は、どこまで予防効果があるかは不明ですが、園や学校に到着したら、まず、しっかりした手洗い・口ゆすぎ・うがいをする。昼ごはん前には、する。自宅へ帰宅後も、すぐにする。などの、生活習慣を身につけておきましょう。小学生・中学生・高校生・大学生など生活範囲の広い人ほど、自宅に持ち込まないためにも、帰宅後はすぐに、しっかりした手洗い・口ゆすぎ・うがいをしましょう。

@ 大阪府下感染情報(6/1〜6/7)
 多い順から、感染性胃腸炎・溶連菌・水痘・突発疹・おたふくの順です。 季節性のインフルエンザも終焉に向かっていますが、いまだ、報告があります。
90%以上はBタイプで、Aタイプも10%認められています。

A 当クリニック感染情報(6月11日現在)
 当クリニックのインフルエンザ症例は5月以降ありません。週に2、3例、インフルエンザの検査を行っていますが、診断された症例はありません。それ以外では、溶連菌や水痘が散見されます。また、今年はいって現在まで、場所をかえながら、おたふくが流行しています。おたふくは、感染力がやや弱いので、目立たなく流行している状況です。おたふくにかかってない人は、大人も含めて、早急にワクチン接種をお勧めします。
B 新しい日本脳炎ワクチン発売
 6月から、新しい日本脳炎ワクチンが発売されました。製品を作る過程で、理論上は旧のワクチン(これも非常に安全なワクチンであったと思います)より、重篤な副作用は生じないと考えられており、まずは、安心して接種していただければいいと考えます。しかしながら、いろんな影響(新型インフルエンザ発生など)で、ワクチンの月々の出荷数が当初少なく、他のワクチンと同じように、予約してすぐワクチンが入手できない状況です。1か月に一医療機関、10本のワクチンの供給があります。それ以上の数のワクチンが入手できるかは、毎月毎月の状況で変わるとのことです。当クリニックの予約もその辺の状況をふまえて、開始しますので、この点ご理解をお願いします。来月も、また、状況をご報告いたします。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談