2009年 5月号
 
  ゴールデンウイークも終わり、これから夏休みまで、園や学校が続きます。また、気温も上昇します。日ごろから水分補給を心がけましょう。さらに、新型インフルエンザなどいろいろ話題もありますが、咳や鼻汁などの感冒症状のある人は、必ずマスクをつけましょう。マスクをしたからといって感染症を防げたというデーターは残念ながらありませんが、マスクをすることで他の人にうつすことは減少します。さらに、帰宅後マスクをはずせば、すぐに袋に入れて密閉して廃棄し、手洗い後、口の中を"ゆすい"でから、"ごろごろ"のうがいをしましょう。

@ 大阪府下感染情報(4/20〜4/26)
 多い順から、感染性胃腸炎・溶連菌・水痘・突発疹・おたふくの順です。 季節性のインフルエンザも終焉に向かっていますが、いまだ、報告があります。
90%以上はBタイプで、Aタイプも10%認められています。

A 当クリニック感染情報(5月12日現在)
 インフルエンザは、先月中旬から当クリニックでは診断例はありません。それ以外では、溶連菌や水痘が散見されます。また、本来秋から冬に流行するRSウイルス感染が、5月に入ってからも散見されます。RS感染は、6ヶ月以下の乳児では発熱もなく細気管支炎を併発して呼吸困難になることが多いウイルス感染症です。喘鳴や哺乳低下に注意してください。
B 新型インフルエンザについて(5/12時点での私見)
 まだ、わからないことがいっぱいありますが、現時点でわかっていることから考えると、このインフルエンザは、いつものインフルエンザとほぼ同等と考えていいのではと考えています。もちろん、インフルエンザはもともと症状の強い感染症であり、脳症になったり、肺炎になったりする侮ってはいけないウイルス性疾患です。
  しかも、今までのものより大きく抗原性が変化したため、今までに私たちが遭遇したことがないので今私たちが持っている免疫力が発揮できるまで時間がかかることになり、この間、症状が重症化する可能性があります。タミフルに代表される抗インフルエンザ薬が有効?とのことですが、この薬はウイルスを殺す薬ではありません、ウイルスの増殖を抑えてくれる薬です。ウイルスに打ち勝つには、基本的には私たちの抵抗力です。日ごろから栄養をつけて体力低下のないように心がけましょう。

C ヒブワクチンについて
 ヒブワクチン予約は一時再開しましたが、当クリニックのワクチン入手待ちのお子さんが再び100名以上になったため、現在再び中止しています。ご迷惑をかけて申し訳ありません。
  毎月当クリニックに入荷するヒブワクチンの本数の予想がつかないため、このような状況になっています。このため、遠慮なく、他院でも予約してください(接種すればできれば予約取り消しをお願いします)。特に2歳以下のお子さんは、早く接種されることをお勧めします。
  当クリニックでは、先月までに146名のヒブワクチンを接種しています。他の予防接種との同時接種のお子さんは56名でした。接種後、発熱されたお子さんは1名、摂取局所が腫脹したお子さんが数名おられました。それ以外の副作用は認めていません。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談