2008年 9月号
 
 夏休みも終わり、新学期が始まりました。季節は秋に向かって、少しずつ進んでいます。 NCN8月号は夏休みをいただきました。今月号から再開します。知りたい情報など、希望があれば、遠慮なく、スタッフにお伝えください。

@ 大阪府下感染情報(8/25〜8/31)
 多い順から、感染性胃腸炎・溶連菌・ヘルパンギーナ・突発疹・手足口病の順です。ただ、全体的に感染症は少ない状況です。
  麻疹の報告が続いていますが、今年は流行の兆候はありません。しかし、今年から始まった高校3年生のMRW期の接種率が大阪府全体で現在約18%と全国最低です。このままでは、日本から麻疹を撲滅することはできません。
 今年から始まったMR(麻疹・風疹ワクチン)V期やW期の中学1年生および高校3年生のみなさん、来年3月末までに必ずMRワクチン接種を受けましょう。
 もし、近くに中学1年生・高校3年生のお子さんを見かけられたら、MR予防接種受けたか?と尋ねてください。接種していないと近い将来、海外旅行へ行けないことも考えられます。

A 当クリニック感染情報(9月5日現在)
 当クリニックでも、全体的に感染症は少ない状況です。いわゆるヘルパンギーナや手足口病に代表される"夏かぜ"は終息に向かっています。
B インフルエンザについてのよもやま話
 インフルエンザの予防接種の受付が始まりました。10月中旬から接取開始、11月末には接種終了の予定です。当クリニックで予約された方で、急な発熱などで予約日に接種できなかったとしても、原則12月末までに、当クリニックで接種させていただきます。ただ、インフルエンザ予防接種予約数には申し訳ありませんが限りがありますので、この点、ご理解のほどお願いいたします。
  抗インフルエンザ薬(タミフル内服・リレンザ吸入など)の効果は、小児では発熱期間を平均1日短くしてくれます。しかし、脳炎・脳症のはっきりした予防効果はありません。昨年大きな話題になった、10代のインフルエンザ患児にタミフル内服させることによる"脳症"様の変な行動に関しては、現時点では"タミフルとの因果関係はない"、とのことです。ただ、これによって"タミフルが安全"と言うわけではありません。ちなみに、当クリニックで診断したインフルエンザ患者さんの抗インフルエンザ薬を内服しない割合は、2005年冬から調査し、年度別に、23%、40%、59%と増加しています。
 それでは、インフルエンザに関してどう対処していくか?の質問に関して、明確な答えはありません。インフルエンザの予防接種も100%効果あるわけではありません。ただ、重要なことは、インフルエンザ流行時にお子さんが発熱された場合、大きいお子さんであっても小さいお子さんであっても、発熱2日間は、お子さんの様子をしっかり観察することです。脳炎・脳症やインフルエンザ罹患による"変な"行動は、発病2日以内に起こっています。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談