2008年 2月号
 
 お正月を過ぎてから、寒い日が続く毎日となりました。この寒さが今年の桜の花を奇麗に開花させることになるかもしれません。春を楽しみにしながら、もうしばらくは寒い日が続くようですので体調管理に十分注意してください。

@ 大阪府下感染情報(1月28日-2月3日)
  多い順から、感染性胃腸炎・溶連菌・水痘・RS感染・突発疹の順です。インフルエンザは1月14−20日の週から流行期に入り増加傾向にありましたが、先週はやや横ばいの状況のようです。タイプはA型がほとんどです。今後さらにこれが拡大流行することも考えられ、また、例年A型のあとB型も流行することからあと約1か月は十分注意が必要です。

A 当クリニック感染情報(2月7日現在)
 まず、インフルエンザは1月の第3週目から流行期に入り、徐々に増加しましたが、今週の増加はやや頭打ちの状況です。今後さらに増加し、例年並みの流行になるのかは予断の許さない状況ですが大流行にはならないような印象です。外出から帰れば手洗い・5回以上水をかえるうがいを忘れないようにしてください。
 抗インフルエンザ薬(内服薬タミフルおよび吸入薬リレンザなど)についてですが、例年説明しているとおり、この薬は発熱期間を約1日短くする効果しかありません。インフルエンザで起こる脳症・脳炎を予防したというデータは現在までありません。内服の有無にかかわらず、発熱開始約2日間は、大きいお子さんでも"しんどそう"であれば、頻回にお子さんの様子を見てください。意識障害やけいれんなどが認められれば、病院へ受診してください。参考までに、当クリニックでインフルエンザと診断した症例の抗インフルエンザ薬の処方割合ですが、2005年、2006年、2007年(今シーズン)とそれぞれ77%(うちタミフル67%)、60%(うちタミフル28%)、46%(うちタミフル28%)となっています。
 それ以外では、軽症の胃腸炎や溶連菌感染・水痘・RSも散見されます。
B 麻疹(はしか)について(パート11)
 今年の1月から全国的に"麻疹"患者の報告が義務付けられました。麻疹と確定診断されば保健所に報告しなければなりません。このためか、全国的に麻疹の患者が増加した様な印象を受けます。あるいは、日本には麻疹がまだこれだけいるのか?と思うのが正しいのかもしれません。予防接種を忘れずに受けましょう。
 1歳過ぎれば早めに麻疹・風疹ワクチンであるMRT期を必ず接種してください。
 今春小学校入学のお子さんは、今年3月31日までに、2回目の麻疹・風疹ワクチンであるMRU期を忘れず接種して下さい。   
 今春新中学1年生(V期)と新高校3年生(W期)の皆さんは今年4月から来年3月までに、2回目の麻疹・風疹ワクチンであるMRV期・W期を忘れず接種して下さい(このV期・W期の予防接種は今年から5年間で終了します)。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談