2008年 1月号
 
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 年末の天候は寒く不安定でしたが、年明けから暖かくなり天候のよいお正月を迎えられたことと存じます。その分、空気の乾燥が強く、咳が長引いたり皮膚乾燥でかゆみが強く湿疹がひどくなったりしているお子さんもおられるようです。

@小児感染情報 (1月10日現在)
  大阪府下の年末年始の感染情報ですが、感染性胃腸炎・水痘・RS感染・溶連菌・突発疹の順です。
 年明け1月7日以降の当クリニックの感染状況ですが、まず、インフルエンザは当クリニックでも7日から認められています。おそらく流行期に入ったと考えていいと思います。8日から学校や幼稚園が始まり集団生活が開始しますので、今後流行する可能性が考えられます。外出後は"うがい"をしましょう。"うがい"はうがい薬がなくても有効です。ただし、"ゴロゴロ・・・ペッ(口の水を吐き出す)"を1回とすれば、5回以上は口に含む水をかえて"うがい"をしてください。
 インフルエンザが流行するにあたり、抗インフルエンザ薬(内服薬タミフルおよび吸入薬リレンザ)についてですが、例年説明しているとおり、この薬は発熱期間を約1日短くする効果以外に特に有効な薬ではありません。インフルエンザで起こる脳症・脳炎を予防したというデータはありません。内服の有無にかかわらず、発熱開始約2日間は、大きいお子さんでも"しんどそう"であれば、頻回にお子さんの様子を見てください。意識障害やけいれんなどが認められれば、病院へ受診してください。
 それ以外では、嘔吐が中心の胃腸炎や溶連菌感染・水痘が認められています。

A 麻疹(はしか)について(パート10)
 
来年小学校入学のお子さんは、来年3月31日までに、2回目の麻疹・風疹ワクチンであるMRU期を忘れず必ず接種して下さい。自分のお子さんでなくても、周りに来年小学校へ入学されるお子さんがおられれば、MRU期の接種を忘れていないか尋ねていただけるようにお願いします。

 さらに、現在小学6年生および高校2年生のお子さんをお持ちのご両親へ。  
 詳細は明らかにされていませんが、この4月から、新中学1年生と新高校3年生で麻疹・風疹の2回目(MRV期、MRW期)の接種が開始されます。おそらく1年間の期限内での接種が公費負担となるものと予想されます。いまさら、予防接種ではない年齢ですが、世界は麻疹(はしか)撲滅のために、麻疹(はしか)の予防接種を2回接種することが常識です。このまま、麻疹輸出国のレッテルを貼られたままの日本では、いずれ海外へ行くにもワクチン接種の有無を報告しないと入国できなくなる恐れもあります。市町村から今後連絡があると思いますので注意を払ってください。また、対象者は必ず2回目の接種を期間内に受けるようにお願いします。
 

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談