2007年 12月号
 
今年もあと1カ月をきりました。体調管理に十分気をつけてください。

@小児感染情報 (12月10日現在)
  感染症は増加傾向です。感染性胃腸炎・RS感染・溶連菌・水痘・突発疹の順です。当クリニックでも溶連菌・水痘・RS感染が、多くはないですが散見されています。

 まず、感染性胃腸炎ですが、急激に増加しています。例年の嘔吐から始まる胃腸炎(おそらくノロウイルスによる)から主に1歳以下の乳幼児が熱と下痢で発症する胃腸炎(おそらくロタウイルスによる)、さらには、やや年長児の下痢の胃腸炎まで、様々な胃腸炎が混在しています。例年は、嘔吐が主体の胃腸炎がもう少し早くから流行し、12月になって乳児主体の胃腸炎が流行し始めるのですが、あたたかい秋から急に寒くなったため、期間が濃縮され、同時に流行しそうです。いずれにしても、ウイルス性の胃腸炎です。便の検査(ノロウイルスの検査は自費になります)の有無にかかわらず、治療法は対症療法しかありません。嘔吐が落ち着くまでの半日から1日は安静にして、少しずつ水分をあたえるように心がけてください。特に小さいお子さんは、嘔吐が落ち着くと飲みたいだけ飲みたがりますので、少しずつ与えるようにお願いします。急に水分をたくさん与えるとまた嘔吐してしまいます。嘔吐のみで脱水になることはまずありません。下痢や高熱が合併して脱水になります。また、水分補給には適度な塩分が必要です。少しずつ、頻回に、薄いみそ汁や野菜スープ・塩を混ぜたお粥などを食べさせてください。それから、吐物や便の中にウイルスが存在しますので、その取り扱いには十分注意してください。
 
 次にインフルエンザですが、ぼちぼち流行の兆しです。当クリニックでも先週の5日に1例目が診断されました。昨シーズンでは1月12日が初めての診断例であったので、当クリニックでも1か月近く早く診断されています。学校があと2週間で終了するので、流行のピークは年明けと考えますが、年末年始の人の大移動でウイルスが拡散されるものと考えられます。このため、インフルエンザの予防接種は年内に2回目を終了するか、遅くとも年内に1回接種に年明け早々に2回目を接種してください。また、外出した後は、手洗い・うがいを心がけましょう。

A 麻疹(はしか)について(パート9)
 
先月、小学校入学の就学時健診をしてきました。麻疹の2回目接種が始まって今年は2年目ですが、MRU期を終了していないお子さんが昨年より多いような印象です。現在、MRワクチンは十分供給されています。
 来年小学校入学のお子さんは、来年3月31日までに、2回目の麻疹・風疹ワクチンであるMRU期を忘れず必ず接種して下さい。自分のお子さんでなくても、周りに来年小学校へ入学されるお子さんがおられれば、MRU期の接種を忘れていないか尋ねていただけるようにお願いします。


なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談