2007年 11月号

 11月に入り、急に寒くなってきました。今年はあっと言う間に夏から冬へと変化しそうです。寒暖差も激しい季節です。体調管理に気をつけてください。

@小児感染情報 (11月9日現在)
  感染症は増加傾向です。感染性胃腸炎・溶連菌・突発疹・水痘・RS感染の順です。当クリニックでも溶連菌・水痘・RS感染が、多くはないですが散見されています。 インフルエンザは、大阪市内でぼちぼち報告されています。当クリニックでは診断例はまだありません。今後流行するものと予想されますので、12月の中旬までには、インフルエンザの予防接種を終えるようにしましょう。当クリニックのインフルエンザ予防接種の予約数が毎年同じ数しか対処できないため、ご迷惑をおかけしています。来年からは予約数をなんとか増加させるように努力しますので、ご理解の程お願いいたします。

ARSウイルス感染について
 
さて、毎年インフルエンザが流行する前に、RSウイルス感染がピークを迎えます。この感染症の特徴は、鼻汁・咳から始まりその後発熱し、時に喘鳴をともなうことです。2歳以上のお子さんでは、喘息のような基礎疾患がなければ、発熱は約3日間で、入院が必要となることは稀ですが、1歳以下のお子さんでは、喘鳴が強くなり、呼吸困難となり、哺乳低下や元気がなくなりに入院加療が必要となることが多い感染症です。特に6か月以下のお子さんでは、発熱を伴わない場合が多く、咳・鼻汁から喘鳴が出現し、呼吸困難になり緊急入院となる、乳児にとってはインフルエンザよりもむしろ"怖い感染症"と言うことになります。母親からの免疫力の移行も不十分なことから生後1カ月のお子さんでもかかる病気です。1歳以下のお子さんは保育園へ入園しているお子さんは少ないので、家族の上のお子さんから"感染する(うつる)"ことが多いようです。1歳以下の乳児で、上のお子さんが鼻汁・咳の症状が比較的強い発熱をした場合、その4、5日後に、下の乳児のお子さんが鼻汁や咳がでたり、発熱したときは、RSウイルス感染を疑ってください。先ほど述べたように、特に6か月以下のお子さんでは発熱がないことが多いので、哺乳低下や活気に十分注意をしてください。RSウイルス感染には、特効薬はありません。もちろんのことですが、抗生剤は無効です。安静にして、できるだけ部屋を加湿して、鼻汁がひどければ、それを取ってあげるなどの対症療法が中心になります。

B麻疹(はしか)について(パート8)
 集団感染はないようですが、大阪府下の麻疹症例報告は少ないながら10月中も続いています。
  1歳を過ぎたお子さんは早急にMR混合ワクチンを受けてください。  麻疹の罹患歴もなく予防接種も受けてない人は、年齢を問わず予防接種をお勧めします。  
 来年小学校入学のお子さんは、就学検診を迎える時期になりました。来年3月31日までに、2回目の麻疹・風疹ワクチンであるMRU期を忘れず接種して下さい。


なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談