2007年 8月号

  台風が行き過ぎたとともに梅雨明けし、夏休みに入りました。これから暑い日が続きます。日中外で遊ぶときは休憩を入れ、水分補給を心がけましょう。

@小児感染情報 (8月6日現在)
  7月の中旬からいわゆる夏かぜ(ヘルパンギーナや手足口病に代表される、口腔内に発疹や口内炎を伴うもので、大多数の発熱期間は1から2日間です。)が流行しています。重篤な症状になることは稀ですが、咽頭痛は約5日間続き、稀に水分が取れなくなることがあります。夏かぜのもうひとつの代表であるアデノウイルス感染は、まれのようです。
 発熱と咽頭痛を伴う溶連菌感染も少なくなったとはいえ認められます。症状や咽頭所見では今年は夏かぜと判断が難しいこともありますが、溶連菌では年長児が多く、体幹に紅斑様の発疹が出現することが多いので、たとえ微熱になったとしても体幹に紅斑様の発疹が認められれば受診するようにお願いします。
 胃腸炎はさほど多くないですが認められます。夏は、腸管出血性大腸炎が増加する時期です。腹痛・嘔吐が激しい場合は早めの受診をお願いします。

A麻疹(はしか)について(パート4)
 
大阪府下の麻疹症例報告はやや減少傾向ですが、いまだ報告が認められます。もう少しの間注意が必要です。
 ご存知かもしれませんが、麻疹の公費負担による2回接種が、現在は小学校入学1年前の幼稚園児のみですが、来年から、中学1年生と高校3年生で行う方針で検討されています。行われたとしても、現在高校2年生以下の年齢の子供たちに麻疹2回接種が行き渡るのに5年かかることになります。さらに、現在高校3年生やそれ以上の年齢の人は対象外と言うことになります。
 1歳を過ぎたお子さんは早急にMR混合ワクチンを受けてください。  
 麻疹の罹患歴もなく予防接 種も受けてない人は、年齢を問わず予防接種をお勧めします。

B日本脳炎ワクチンについて(パート2)
 接種希望者の方にはご迷惑をおかけしています。残念ながら、ワクチン入手は困難な状況が続いています。日本脳炎患者が発生する時期は8月末ごろからなので、今年接種して免疫力をつけることは、今年は困難であると思われます。市町村や大阪府を介して厚労省へ、ワクチンが足らないことは問い合わせを行ってもらっていますが、いっこうに不足を解消する気持ちはないようです。厚労省は"蚊に狙われている"とゆうポスターを作って、自分たちが指示した"積極的ワクチン接種推奨中止"(接種中止ではなく、個々に判断しなさいとゆうこと)は、接種を禁止したのではないとアピールしています。大阪府は、"大阪はブタの頭数は少なく、ブタの日本脳炎ウイルス保有率も少ないから大阪のこどもは日本脳炎にかかりにくい"と通達をだしています。大阪のこどもはこの夏休みの間も大阪にいるしかないのかもしれません。 


なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談