2007年 3月号

  日によって、暖かかったり寒くなったりの繰り返しの日々が続いています。また、空気も乾燥しています。体調管理に十分注意をお願いします。


@小児感染情報 (3月12日現在)
  まずインフルエンザ情報ですが、1月末から始まったインフルエンザは、先週も増加傾向をたどっています。増加の割合はやや鈍ってきていますが、まだ、ピークは見えていません。今年は昨年に比べて、流行が遅くしかも流行も局所的で、流行している学校や幼稚園では多数のお子さんが罹患していますが、あまり流行が認められない学校や幼稚園もあり、地域的にはまだらな状態で流行しています。しかも、インフルエンザの症状である倦怠感が強いお子さんや高熱で下がらないお子さんもおられますが、比較的年長なお子さんで予防接種を受けておられるお子さんの場合、夜には発熱するが昼間は元気であることが多く、インフルエンザと気づかないまま数日過ごす場合もあります。
インフルエンザは"感冒"ですので、元気であれば心配はありません。たとえ発熱が5日程度続いてもいずれ良くなりますので、十分な水分補給と安静を保ってあげてください。先月号にも記載しましたが、 インフルエンザもただの"感冒"ですので、感染力は強いですが、元気なお子さんでは内服薬なしで"なおる"病気です。ご両親が心配な、"インフルエンザ脳症"および"興奮状態?"ですが、これは、発病の2日前後に起こります。このため、お子さんが発熱された場合、2日間はお子さんが10歳以上のお子さんでもお子さんの様子をしっかり観察してください。お子さんの意識がはっきりしていれば心配ないと考えます。
 
 インフルエンザ以外では、溶連菌感染、"アデノウイルス"感染が、また、RS感染もまだ少し散見されています。水痘も散見されます。

 胃腸炎の症例も多いですが、年末に流行した嘔吐主体の"ノロウイルス"の胃腸炎は認められていません。例年、1月ごろから流行する1、2歳以下のお子さんが発熱と下痢をする"ロタウイルス"による胃腸炎が増加しています。

A抗インフルエンザ薬について
  タミフルに代表される抗インフルエンザ薬は、ウイルスを殺している薬ではありません。ウイルスの増殖を抑制する薬です。このため、48時間以内できれば24時間以内に内服する必要があります。効果は発熱期間を1日少なくしてくれる程度です。"インフルエンザ脳症"を減少させる効果はありません。また、今年から、5歳以上のお子さんに、吸入薬の抗インフルエンザ薬であるリレンザが承認されました。吸入可能かどうかが問題ですが、これは、血液中にはわずかしか吸収されないため、タミフルに比べ副作用は少ないと考えられています。

     小学校入学前にMRワクチン接種を忘れずに。
    
  3月31日までですので忘れずに接種をお願いします。


なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談