2007年 1月号

  明けましておめでとうございます。
開院以来3回目のお正月を迎えることができました。
誠にありがとうございます。今後も、私たちの将来を担ってくれる子供たちが元気で成長していくことを願って、育児や病気などに対する正しい知識を発信しながら、地域根ざした医療を進めていく予定です。今後とも宜しくお願いいたします。



@小児感染情報
  まずインフルエンザ情報ですが、12日、今季初めて当クリニックでインフルエンザの症例がでました。12歳の小学生です、タイプはA型です。大阪府下で正月明けからぼちぼち報告が増加傾向にあります。インフルエンザが流行すると考えるとこれから1ヶ月の間に増加すると考えられます。外出から帰ればうがいをしっかりするように心がけましょう。

 感染症としては胃腸炎が多いようですが、11月末から12月にかけて流行した"嘔吐主体の胃腸炎"(恐らくノロウイルス)は稀になってきています。今後、乳幼児中心の胃腸炎である"ロタウイルス"流行期に入るので注意してください。

 咳・喘鳴や鼻汁の多いRSウイルスによる感冒は引き続き注意が必要です。特に1歳台以下の乳幼児は、発熱の有無にかかわらず、咳・喘鳴や哺乳低下に注意してください。 それ以外に、溶連菌感染やアデノウイルスによる感冒も散見されています。

A抗生剤について(正しい抗生剤の知識を得るために)
  抗生剤はウイルス感染には無効ですが、細菌感染には有効です。例えば、溶連菌感染であれば、内服すれば翌日には解熱し、1日以上内服すれば他のひとにうつすこともありません。但し確実に内服する必要があり、しかもリュウマチ熱や腎炎などの発症予防目的で10日から2週間内服を続ける必要があります。細菌性急性中耳炎や細菌性尿路感染でも有効ですが、有効である限り確実に内服する必要があり、疾患によって変わりますが最低でも3から7日間は確実な内服が必要です。抗生剤は細菌が原因であれば、発熱や痛みなどの症状を確実に改善してくれる薬です、3日間も内服すれば有効がどうか判定可能です。

  本来、抗生剤は、原因である細菌をみつけ、それに最も有効で、他の細菌には無効な抗生剤を作り使用することが理想です。残念ながら、理想は難しく、感染の原因である細菌を最初から見つけることはできません。原因菌が不明なため、幅広い細菌に有効な薬が開発されてきました。しかしながら、すべての細菌に有効な抗生剤はありません。日本では最近まで発熱すればすぐ抗生剤投与され続けたために、種々の耐性菌が生まれました。ただ、抗生剤の無駄な使用避けるだけでなく、使用方法を考え直せば耐性菌は減少するといわれています。発熱の原因が細菌であることは、10人に1人いるかいないかの頻度です。1人に必要なために9人を犠牲にする? もちろん、その1人を見つけるために、綿密な経過観察が必要になり、これが最も重要なことになります。

  抗生剤を処方されたら、一度その理由を考えませんか?尋ねてみませんか?

何か、ご要望、ご質問があれば、遠慮なくスタッフにお伝えください。


なかじまクリニック 小児科・循環器科
       院長 談