06/07 年末年始号

@最新の感染状況と注意点
  突然の嘔吐から発症する感冒性胃腸炎(おそらくノロウイルスによる)が11月から12月はじめにかけて流行していましたが、12月中旬からはやや下火になっています。ノロウイルスによる胃腸炎は元気なお子さんでは比較的軽症です。注意点は、突然の嘔吐で始まるため、嘔吐物による誤嚥と感染力が強いため次々に感染して発症することです。嘔吐物・便が感染源となります。特に嘔吐物はところかまわず嘔吐し汚染されるため、嘔吐物で汚染されて場所や衣服などの処理が重要です。塩素系の洗剤で消毒するか、早急に密閉することが重要です。

  12月に入って、RSウイルスによる"感冒"が流行しています。聞きなれないウイルスかもしれませんが、毎年11月から3月ごろまで流行し、2歳以下の乳幼児では"細気管支炎や喘息様気管支炎"などの診断で高率で入院することになります。発症初期から鼻汁と咳がひどく時に喘鳴が認められます。3、4歳以上では高熱が続いても3日間程度で解熱し咳と鼻汁は残りますが、喘息などの慢性疾患を持っていなければ入院となることは稀なようです。1から2歳では、5日間程度発熱し、徐々に喘鳴が強くなり、"気管支炎"や"喘息様気管支炎"の診断で入院が必要になることがあります。6ヶ月以下の乳児では、発熱がないこともあり徐々に哺乳が低下して活気がなくなり、"細気管支炎"の診断で入院となることがあります。以上のように1歳以下、特に乳児では、発熱もなく喘鳴と呼吸困難で入院となります。活気や哺乳低下に注意してください。特に上のお子さんがまず罹患してから下のお子さんの乳児に広がるケースが多いので気をつけてください。当クリニックでも12月に入って、1歳以下で診断して4名ほど入院紹介をしています。

  インフルエンザは25日現在、当クリニックでは診断例がありません。
全国ではぼちぼち報告がある程度です。報告例ではB型が多いようです。
年明けから注意が必要です。

何か、ご要望、ご質問があれば、遠慮なくスタッフにお伝えください。


なかじまクリニック 小児科・循環器科
       院長 談