2006年 9月号
 

@ 小児感染情報
 ヘルパンギーナに代表される夏型の感冒は8月中旬ごろから減少して、ほとんど見なくなりました。溶連菌・水痘・おたふく・アデノウイルスなど診断可能な感染症はわずかに散見される程度です。発熱するお子さんが少ないためか、4、5日発熱が続く"感冒?"を認めますが、流行とまではいかないようです。


A インフルエンザ予防接種の予約開始
 1年は早いものでインフルエンザ予防接種の予約が開始されました。当クリニックでは、10月中旬から11月末日の予約制で、予約日にできなかった場合は日時をずらして12月中旬までに接種完了の予定です。誠に申し訳ないですが昨年と同じ程度しか予約数はありません。早めに予約をお願いいたします。


B 昨シーズンのインフルエンザについて
 昨シーズン当クリニックでインフルエンザと診断した症例は292名でした。うち、A型289名、B型3名でした。私が知りえた範囲で、脳症を起こした症例はなかったようです。最初の症例は12月16日で、患者数のピークは1月20日ごろで最終は3月中旬でした。予防接種の効果は接種約1ヵ月後から効果をはっきすることから、12月中旬までには予防接種を完了していることをお勧めします。
 昨シーズンの抗インフエンザ薬の当クリニックでの内服状況ですが、

タミフル内服67.1%、
アマンタジン内服9.9%、
内服なし22.9%          でした。

 抗インフルエンザ薬は、副作用もあり、また使用を続けていると、将来抗インフルエンザ薬が効かないインフルエンザウイルスが出現する可能性があります。さらに、新型のインフルエンザが出現した場合、新しい予防接種を作るためには数ヶ月を要することになります。新型のインフルエンザに、タミフルが有効かどうかは明らかではありませんが、有効な可能性はあり、タミフルを温存することは重要と考えます。
 インフルエンザに罹患すると怖いのは、"脳症"と"肺炎"です。脳症は、発症早期に出現するもので、今のところ早期発見が重要で、抗インフルエンザ薬が有効であるとゆう報告はありません。"肺炎"は小児では旧来のインフルエンザでは致命傷になることは稀で、むしろお年寄りに怖い合併症とゆうことになります。新型インフルエンザでは、お年寄り以外でもこの"肺炎"が致命傷になります。
 ご両親も抗インフルエンザ内服についてもう一度考えていただきたいと思います。

何かご要望、ご質問がありましたら、遠慮なくスタッフにお伝えください。            

なかじまクリニック 小児科・循環器科
       院長 談