2006年 7月号
 

 長らく休刊にしていましたが、今月から再開します。さぼり癖がつくとすぐさぼってしまうのが私の悪い癖で申し訳ありません。今後も正確で的確な情報をお伝えします。


@ 小児感染情報
 夏になり、"夏かぜ"の季節になりました。夏はいろんな種類のウイルスで発熱します。言い換えるとよく発熱しますが、多くの場合、発熱は約2日間です。このため発熱しても他に症状がなく水分が十分取れていて比較的元気であれば、1日、2日は自宅で様子をみてもらってもかまいません。発熱が3日続く場合や活気がない、不機嫌がひどいようならすぐに小児科へ受診しましょう。 発熱が約5日続く場合にはアデノウイルス感染症も散見されます。 水痘もやや下火になりましたが、散見されます。

A 麻疹・風疹予防接種変更
  クリニック内にも告知しましたが、6月から小学校入学前に麻疹・風疹混合ワクチンを接種することになりました。今回、来年入学するこどもは、来年3月末までに必ず接種してください。
B旧来のワクチンでの日本脳炎ワクチン再開について
 昨年から積極的勧奨差し控え(事実上は中止)になっている日本脳炎ワクチン予防接種に関して、残念ながら、今年度も変化はありません。新しいワクチンの開発も進められていますが、今年に間に合うことはないと考えます。仮に新しいワクチンが開発されたとしても、差し控えになった理由であるADEM(急性散在性脳脊髄炎)の発生頻度が以前のものと比べて低いとは限りません。以前の日本脳炎のワクチンでは70−200万回接種に1回程度の頻度ですので、新しいワクチンも多くの症例で試みてみないとわかりません。 昨年中止後日本脳炎患者が多く発生したとの報告はありません。しかし、毎年ブタの世界では、春に生まれたブタのほとんどがひと夏で日本脳炎ウイルスの抗体を持っています。言い換えると、日本脳炎ウイルスは存在すると言うことです。日本脳炎は、ウイルスが人に進入しても数百人に1人しか発症しませんが、発症すれば15%が死亡する病気です。このため、旧来どおりの予防接種ですが、当クリニックでは再開しようと考えます。接種するのは旧来の予防接種の用紙に加えて同意書が必要になりますので、宜しくお願いいたします。
 この再開はあくまで、当クリニックの考え方であり、他の医療機関とは必ずしも共通しないので、ご注意の程お願いします。


何かご要望、ご質問がありましたら、遠慮なくスタッフにお伝えください。            


なかじまクリニック 小児科・循環器科
       院長 談